軽貨物運送(黒ナンバー) 届出から開業まで徹底ガイド【2024年版】

黒ナンバーのことでお困りではありませんか?

  • 個人で黒ナンバー運送を始めたいが、何からやればいいのかわからない
  • 今の仕事がいそがしく、書類を作ったり平日役所に手続きに行く時間がない
  • 運輸支局と軽自動車検査協会と両方に手続きに行くのがめんどうだ

軽貨物運送(黒ナンバー)を始めるにはどうしたら・・・・このページを読めばわかります。

許可ではなく届出制なので、運輸支局に届出をしクルマに黒ナンバーをつければ短期間で営業開始でます。コロナ禍でさらに拡大する宅配貨物のニーズを受け、個人事業主として独立開業や、副業としても有望です。

軽貨物運送事業 届出・開業へのポイント
❶クルマは軽自動車1台からスタート可能 (2022年10月から乗用車も使用可)
❷運行管理者や整備管理者などの有資格者の配置は不要 (一定台数以内の場合)
❸営業所・車庫・休憩睡眠施設など、自宅併設でも可能
❹必要資金の規定はなく、登録免許税などの納付の必要もありません

すぐに黒ナンバーを取りたい、手間をかけずに軽貨物運送を始めたい
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黒ナンバー手続一式(税込)¥40,000(運輸支局への経営届出、軽自動車検査協会での車検証書換・黒ナンバー取得まですべて込み!)

軽貨物運送とは

軽自動車を使った運送業(以下、軽貨物運送業)は、貨物自動車運送事業法という法律上は「貨物軽自動車運送事業」といいます。

一般貨物自動車運送事業(軽でないトラック運送)は国土交通大臣の「許可」が必要ですが、貨物軽自動車運送事業は国土交通大臣に「届出」を行い、クルマに黒ナンバーを付けることによって営業することができます。

一般貨物自動車運送事業の許可には、5台以上のトラックなどが必要で、他にまとまった金額の自己資金も要求されるなど、かなり高いハードルがありますが、貨物軽自動車運送事業の場合、軽バンなど1台から始められますし、必要資金のキマリなどもなく、トラック運送業に比べると容易に開業することが可能です

  参考: 貨物自動車運送業の3種類の概要についてはこちら
      一般貨物自動車運送事業の許可要件の要約はこちら

届出の要件について

埼玉運輸支局案内板2
埼玉運輸支局 案内看板

1.自動車の数

軽貨物運送業に用いる自動車は1~3の3種類ですが、いづれかの自動車が1両あれば届出が可能です(参照:5.自動車の構造)。

  1.  軽(普通) :軽貨物/乗用自動車で霊柩及び二輪以外の自動車
  2.  軽(霊柩) :軽貨物自動車で霊柩自動車のこと
  3.  二輪    :二輪バイクで125ccを超える排気量のもの

届出書には、種類ごとの数を記載します。

排気量125CC以下の二輪車は、第1種・第2種原動機付自転車に該当し、ここでいう自動車ではありませんので対象外です。自転車や125cc以下の二輪車による有償運送を行うには、特別の許認可は必要ありません。

上記の通り、軽自動車でも「霊柩」運送が可能ですが、実際はいわゆる”病院下げ”など「寝台車」としての運行がほとんどでしょう。

洋型などの霊柩車での霊柩運送は一般貨物自動車運送事業許可の対象となっています。
くわしくは・・・https://unsougyo.takaisa-office.com/reikyukyoka/

2.自動車車庫

軽貨物運送業には、下記の1~4を満たす自動車車庫が必要です。

  1. 原則として営業所に併設されていること。併設できない場合は営業所からの距離が2㎞を超えないこと。
  2. 計画する事業用自動車すべてを収容できるものであること。
  3. 使用権原を有すること
    • 自己所有、賃貸借契約などで車庫として使用する権利があることです。証明する書類は不要で、届出書下部の宣誓書で宣誓します。
  4. 都市計画法等関係法令(農地法、建築基準法等)に抵触しないこと
    • 例えば農地は車庫にできません。また屋根付きの車庫を設ける場合など、都市計画法と建築基準法の規制を受けることがあります。これらの法令に抵触しないことが必要です。宣誓は使用権原と同様、届出書の下部の宣誓書で宣誓します。

個人で開業する場合など、自宅の1室を営業所とし、車庫は自宅敷地内の駐車スペースを使うといった形で構いません。

3.休憩睡眠施設

乗務員が有効に利用することができる適切な施設が必要です。こちらも、自宅の一部等でも大丈夫です。

4.運送約款

約款とは、企業等が不特定多数の利用者との取引に関する契約内容をあらかじめ定めておく文書のことです。その内容は1のとおりですが、標準軽貨物自動車運送約款が定めれており、それを利用することもできます(…というか、標準約款の利用がほとんどかと思います)。

  1. 荷主の正当な利益を害するおそれがないものであること
    ①運賃及び料金の収受並びに貨物軽自動車運送事業者の責任に関する事項等が明確に定められていること。
    ②旅客の運送を行うことを想定したものでないこと
  2. 国土交通大臣が定めて公示した標準約款を使用する場合には、届出書の記載に当たってその旨を記載することにより、約款の添付は不要とする
     参考: 関東運輸局 標準軽貨物自動車運送約款
               標準軽貨物自動車引越運送約款

5.自動車の構造

届出の受理の際の確認事項を定めた「公示基準」では、

”届出に係る事業用自動車(二輪の自動車を除く。)の乗車定員、最大積載量及び構造等が貨物軽自動車運送事業の用に供するものとして不適切なものでないこと”

とされており、従来は実務的には車検証の「用途」欄に”貨物”とあることが必要とされていました。

これについて、令和4年10月国交省通達により、軽貨物自動車に加えて、軽乗用車でも黒ナンバーを付けて有償運送ができることとなりました。

緑ナンバーの「二輪の自動車」

軽貨物自動車は、乗車定員2人、最大積載量350kgが標準的なモノですが、乗用車を用いる場合は・・・
 積載可能重量=(乗車定員ー乗車人数)×55㎏ 
となります。軽乗用は通常乗車定員4名なので、運転者のみ乗車している場合は、55㎏×3=165kg が積載可能となります。

上記の他、二輪の自動車(軽二輪および自動二輪車)は、従来通り貨物軽自動車運送事業に用いることが出来ます(上述の通り125ccを超えるもの)。125㏄を超える二輪は右の写真のように緑ナンバーが付きますが、事業としては貨物軽自動車運送事業で黒ナンバーと同じ制度です。

6.管理体制

事業の適切な運営を確保するために運行管理等の管理体制を整えているものであること。

届出書の該当欄に、所属営業所と日常の運行管理者の氏名を記載します。
運行管理者は、個人で1両で行う場合は本人など。法人の場合は会社で選任した責任者です。

また、1つの営業所に対象車両を10台以上配置して事業を行う場合、資格を持った整備管理者を選任しなければなりません

7.損害賠償能力

自動車損害賠償保障法等に基づく責任保険または責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な損害賠償能力を有するものであること。

軽貨物運送業に用いる自動車は黒ナンバーを付け、事業用自動車として走りますので、任意保険契約も事業用のものに加入しなければなりません。すでに所有していたクルマを使う場合などには十分注意が必要です。

8.運賃料金の設定

運賃とは、基本的な運送の対価のことです。料金とは、提供するサービスなどに対して運賃と別に収受する代価、と考えればよいでしょう。

運賃・料金表の書式例は 埼玉運輸支局HP/軽貨物運賃料金表(例) をご参照ください(この様式でなく自由に設定することも可能です)。

以上で、満たすべき要件や確認を要する事項を確認してきました。それでは、実際の手続きについてみてみましょう。

届出手続き

埼玉運輸支局第2正面
埼玉運輸支局 A棟

登録要件に適合することが確認出来たら、「貨物軽自動車運送事業経営届出書」に、上記の内容を記入し、必要書類を添えて地方運輸局の運輸支局(埼玉運輸支局など)で届出手続きを行います。

必要な書類は以下の通りです。

  1. 貨物軽自動車運送事業経営届出書(正・控えの2部)
  2. 運賃料金設定(変更)届出書(正・控えの2部)
  3. 事業用自動車連絡書(2部)
  4. 車検証の写し(新車の場合、完成検査証写し)

参考 :埼玉運輸支局 「軽貨物(黒ナンバー)の手続きについて

以上の書類に不備がなければ書類は受理され、3 の事業用自動車連絡書に「経由印」が押され、支局での届出手続きは完了、黒ナンバーの手続きに進みます。

【営業所の場所別 届出先窓口一覧】

営業所の場所管轄運輸支局名運輸支局所在地
埼玉県埼玉運輸支局埼玉県さいたま市西区大字中釘2154-2
東京都東京運輸支局東京都品川区東大井1丁目12 番17号
千葉県千葉運輸支局千葉県千葉市美浜区新港198番地
神奈川県神奈川運輸支局
神奈川県横浜市都筑区池辺町3540番地
群馬県群馬運輸支局群馬県前橋市上泉町399番地の1
栃木県栃木運輸支局栃木県宇都宮市八千代1丁目14番8
茨城県茨城運輸支局茨城県水戸市住吉町353番地
山梨県山梨運輸支局山梨県笛吹市石和町唐柏1000番地の9

運輸支局は車検場でもあり広い土地が必要なため、郊外にある場合が多く、足の便はあまりよくないところも少なくないです。また、次に説明する車検証とナンバープレートの手付きは、ナンバー所管(例えば「練馬」など)ごとに場所が異なるので、ご自身で手続する場合は、場所を確かめておく方が良いでしょう。

黒ナンバーへの変更

黒ナンバー333

運輸支局での届出が済んだら、次は車検証とナンバープレートの手続きです。

自家用の軽自動車は、黄色地に黒文字のナンバーですが、事業用の軽自動車は黒地に黄色文字のいわゆる「黒ナンバー」です。使用する自動車の車検証を更新して、黒ナンバーを取り付ければ、晴れて軽貨物運送業の開業が可能です。

*手続き場所は、軽自動車検査協会です。埼玉県の場合、以下の4カ所にあります。
 埼玉事務所(上尾市)  =大宮・川口ナンバー
  所沢支所(三芳町)  =所沢ナンバー・川越ナンバー
  熊谷支所(熊谷市)  =熊谷ナンバー
  春日部支所(春日部市)=春日部ナンバー・越谷ナンバー
 (詳しい場所等は 軽自動車検査協会・全国の事務所一覧 にてご確認ください)

*必要書類等は・・・

  1. 運輸支局で”経由印”を受けた事業用自動車等連絡書
  2. 車検証(原本)、新車の場合、車台番号のわかる完成検査修了証のコピー等
  3. ナンバープレート交付手数料(1510円 :埼玉県)
  4. いままで付いていた黄色ナンバープレート(前後)

です。

軽自動車の場合は、ナンバープレートに封印が必要ありませんので、車両を持ち込まずに黄色ナンバープレートを外し、車検証(原本)を持参して黒ナンバーと新しい車検証の交付を受け、車庫に戻ってからナンバーを取り付けることもできます。

都道府県をまたいで事務所が移転したときは・・・

届出を行った「主たる事務所」を移転した場合の必要な手続はどのようなものでしょうか?

軽貨物運送の場合、都道府県をまたいで移転した場合、「届出事項の変更」のような手続きではなく、今まで軽貨物の仕事をしていた(届出済の)都道府県を管轄する運輸支局に「事業廃止」の届出を行い、移転先の都道府県管轄の運輸支局に、新たに「貨物軽自動車運送事業経営届出」を行う、という形式の手続になります。

黒ナンバー取得(車検証書換含む)は、旧管轄運輸支局に廃止を届けた事業用自動車等連絡書と、新たに新管轄の運輸支局経由印を受けた事業用自動車連絡書の両方を添付して、新たに取り直す手続きになります。

まとめ

ネット通販のみならず、いろいろなホームデリバリーサービスも増えており、軽貨物運送業ニーズは今後も高まっていくでしょう。車や車庫などの用意ができれば、届け出書類の作成などはご自身でも可能ですが、新しい仕事にチャレンジしようという時期に書類作成や届出手続きなどは任せてしまいたいとお考えでしたら、ぜひ当事務所へのご依頼をご検討ください。

軽貨物運送届出についてのご相談は、さいたま市の「行政書士高橋いさお事務所」まで

当事務所の取扱料金

業 務 名内  容料金(税込)
貨物軽自動車運送事業 新規届出*届出書・運賃料金設定届・事業用
 自動車連絡書 の作成
*上記書類の運輸支局届出代行
*軽自動車検査協会での黒ナンバー取得
40,000円

(軽自動車検査協会でのナンバー取得には、別途ナンバー交付手数料1510円(埼玉県)が必要です)

お問い合わせ

お問合せは 電話 048-799-2570 または下のフォームから、ご遠慮なくご連絡ください。

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