中古車を使用してレンタカー業を行う時には、レンタカー業の許可を取ることと別に注意しておくべきことがあります。それは、「古物商許可」が必要になる場合がある、ということです。
例えば、低価格で集客する格安レンタカー、あるいは自動車修理工場やガソリンスタンドの新たな収益源としてレンタカー業を始めるなどの際はコストを抑えることが大事になるので、クルマは中古車を使用することを検討する場合も多いでしょう。
このページでは、中古車でのレンタカー業をご検討の方の、「販売するわけではないのに古物商許可が要るの?」という疑問に答えていきます。
古物商の基本
古物とは?
古物営業法では「古物」とは・・・
- 一度使用された物品
- 使用のため取引されたもの
- これら(上記の2種)に若干の手入れをしたもの
・・・をいう、とされています。
自動車でいえば、「中古車」は普通1 に該当しますので、「古物」にあたることになります。
古物商とは?
古物営業法では、古物営業を「古物商」「古物市場主」「古物競りあっせん業」の3種に分けていますが、レンタカー業に関連するのは「古物商」にあたるかどうかです。古物営業法では「古物商とは・・・」
古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業・・・(後半省略)
とし、これを業として行う場合は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない、と定めています。
古物商許可の記事へのリンク |
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古物商がよくわかる 古物商許可 申請書の書き方 古物商許可に必要な書類 |
古物のレンタル業が該当するか?
上記の古物営業法条文では、古物の「売買」と「交換」が古物商の許可対象と書かれていますが、古物を顧客に貸与し、または顧客返還を受けることは「交換」に該当すると解されており、古物をレンタルするには古物商許可が必要とされています。
売買の際に買い取るもの、交換の際に受け取るものが「古物」である場合に上記に該当します。
中古車でのレンタカー業
古物商許可が必要なのは、「古物を買い取って売却、交換(レンタル含む)する」営業なので、
- 新車を購入して行うレンタカー業
- 新車で購入し自身(自社)で使用してきた中古車を使うレンタカー業
- 無償譲渡を受けたクルマで行うレンタカー業
は、古物商許可は必要ありません(3が成立するかどうかはともかくとして・・・)
逆にいうと、レンタカー業を行うために中古車を調達した場合、これをレンタルするには古物商許可が必要です。
中古車販売業者の場合、いわゆる商品車をレンタカーに転用する場合は古物商に該当しますが、この場合中古車販売業で古物商許可を得ているので、新たな許可等は必要ありません。
無許可営業を行うと
古物商許可が必要とされる方法でレンタカー業を行う際に、古物商許可を得ずに行うと古物営業法違反となり、「3年以下の懲役または百万円以下の罰金に処する」と定められています。
レンタカー業許可と古物商許可の関係
レンタカー業許可、古物商許可はそれぞれ以下のように、根拠となる法律、所管行政庁、許可までの期間(目安)が異なります。
レンタカー許可 | 古物商許可 | |
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根拠となる法律 | 道路運送法 | 古物営業法 |
所管行政庁(実際の窓口) | 国土交通省 (都道府県設置の運輸支局) | 都道府県公安委員会 (主事務所所管の警察署) |
許可までの期間(目安) | 30日 | 40日 |
上記のように、レンタカー業の許可と古物商許可は、法律も許認可を行う役所も異なり、手続き上もどちらかの許可を受けるためにもう一方の許可が必要といった関係もなく、それぞれ別に許可申請を行い、役所の審査を受けることになります。
許可までの期間は「標準処理期間」といわれるものであくまで目安ですが、標準通りであれば古物商許可の方が若干長くかかるので、両方の許可申請を行う場合の準備はこれを参考にするとよいでしょう。
まとめ
レンタカー業と古物商許可とが関連するというイメージはお持ちでなかった方も多いかもしれませんが、上記の通り許可が必要であるのに無許可で営業を行うと、重い刑罰も課せられますので、十分注意しましょう。
当事務所では、レンタカー業許可はもちろん、古物商許可も一貫してサポートが可能です。中古車でのレンタカー業の開業をご検討の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
古物商許可に関することの他、レンタカー業の許可全体の解説は 【レンタカー業 許可申請ガイド】 をご参照ください。
<レンタカー許可、古物商許可 サポート料金>
業 務 名(内 容) | 料金(税込) | 備 考 |
---|---|---|
レンタカー許可 | 77,000円 | |
古物商許可(法人) | 60,000円 | 役員5名まで |
古物商許可(個人) | 50,000円 |
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