運送業の「事業報告」の書き方

一般/特定貨物自動車運送事業(運送業)の許可には有効期限がありません。この点が、5年の期限が設けられている建設業や産廃業許可などとの大きな違いです。一方で、他の多くの許認可事業と同様に、運送業の場合も事業報告など毎年の定期報告が義務付けられています。

この記事では、2種類ある年次報告書のうち「事業報告書」について、記載例を使って詳しく解説します。

運送業の定期報告の概要

報告には2種類がある

一般貨物自動車運送事業の定期報告書には、「事業報告書」と「事業実績報告書」の2種類があります。貨物軽自動車運送事業にはこのような年次報告義務はありません。

「事業報告書」は、事業者の年度ごとの営業活動・経営状況を報告するものです。「事業概況」、「損益明細書」、「人件費明細表」などと会社の決算書を、自社の年度終了後(決算から)100日以内に運輸支局に提出します。

「事業実績報告書」は、より具体的な運送実績について、「何を、どれだけ(トン数)」、「何台の車両で、どれだけ走って運んだか」、その結果「営業収入はいくらだったか」などを報告するもので、全事業者とも同じ期間で4月1日から3月31日までの1年間の実績を、7月10日までに報告するものです。

この記事では「事業報告書」の書き方等について説明してます。「事業実績報告書」については下記のリンクから内容確認をお願いします。

定期報告を行わないと

以上の定期報告は法定義務ですので、報告義務違反には下記の刑罰と行政処分が科されます。

刑事罰

定期報告を行わない場合、または虚偽の報告を行った場合 =100万円以下の罰金刑

行政処分

違反の内容初違反再違反
未報告警告10日車
虚偽の報告60日車120日車

事業報告書の内容、書き方

事業報告は上述の通り、各事業者の年度の期間について、決算後100日以内に報告します。事業報告書は次の1~5の報告書類で構成されます(以下、一般貨物自動車運送事業で特別積合わせを行わない事業者が対象)。

  • 事業概況報告書(第1号様式)
  • 一般貨物自動車運送事業損益明細書(第2号様式)
  • 一般貨物自動車運送事業人件費明細表(第3号様式)
  • 貸借対照表(※)
  • 損益計算書(※)

②の損益明細書は、⑤の損益計算書とカブるようにおもわれるもしれませんが、②は貨物自動車運送事業にかかる損益の明細、⑤は会社全体の損益計算書です(④貸借対照表も同様に会社全体。なので※印の2つは事業報告書としての様式はなく、会社の決算書のものを添付します)。
③の人件費明細も、貨物自動車運送事業に係るもののみで作成します。

報告書の書式(第1・2・3号様式:関東運輸局)はこちらから

事業報告(表紙)

運送業の事業報告書の表紙


「事業報告」の表紙の例です。
表紙は見た通りのもので、特に難しいところはないですね。

この例では、事業者の年度は4月1日ー3月31日なので、決算日3月31日から100日以内=7月10日までに事業報告を運輸支局に提出します。

このように、国の年度と年度の期間が一致している事業者の場合、事業報告の期日は、事業実績報告の期日と同じ日になります。

事業概況報告書(第1号様式)

運送業事業報告書の1枚目、事業概況報告の書式

*「資本金の額又は出資の総額」は、株式会社は払込み資本金、有限会社・合名会社・合資会社、組合等の場合は出資の総額を記入します。
*「発行済株式総数」は株式会社以外の有限会社等は記載しません。

*主な株主、役員の欄は、当該事業年度末時点のものを記載します。

*役員欄は、取締役(理事)や監査役(監事)等に関して、左表を例として役職名、氏名、常勤非常勤の別を記載します。

*経営している事業は、本報告の対象年度中に経営した事業をすべて(例えば、倉庫業など)を記載します。
従業員欄は期中の平均従業員数しますが、1人の従業員が複数事業に従事する場合は、適正な配分に従って按分した人数を記載します。

*営業収入(売上高)は、会社の全売り上げに対する構成比で記載します。期中で廃止した事業も含めます。

損益明細表(第2号様式)

事業報告損益明細表の例

*「運送収入」は、運賃+料金及び利用料等の合計額とし、運賃には通常の運賃の他各種割り増し運賃を含めます。料金等は集配料、荷役料などを記載します。

*運送雑収は、品代金取立料、顔津引換証発行料、着払い手数料等書手数料などが入ります。

*「運送費」は貨物軽自動車運送事業の現業部門にかかる費用をここに含めます。
・さらに、”人件費”の( )内は、この欄の人件費合計のうち、運転者・修理工・運行管理者など、専ら事業用自動車の運行に従事する者の人件費を内数で記入します(ただし、()の外と中が同額の場合も多い)。

*一般管理費は、役員報酬、管理部門人員の給与等を人件費欄に記入し、管理部門施設の施設料、減価償却費などをその他欄に記入します。

*この「損益明細表」は、貨物自動車運送事業に係る損益のみを対象とします。貨物自動車運送事業以外の事業を兼業する場合に、それぞれ直課費用が把握されていない場合は配分計算によることができますが、下記の基準に基づいて配分計算することが必要です。
→ ”貨物自動車運送事業に係る収益及び費用並びに固定資産の配分基準について”

人件費明細表(第3号様式)

運送業の事業報告書のうち、人件費明細表の例

*給与・手当は、賃金として毎月支払われるもの、賞与は夏季、年末、年度末等に支払われる臨時的給与を計上します。

*支払延人員は、給料支払の対象となった月別人員の当該事業年度における累計人員(人月)です。

*本表の横軸は、運送費と一般管理費に分かれています。これは損益明細(第2号様式)の運送費、一般管理費の区分に対応しますので、各人件費の合計価額は損益明細の該当欄と一致する点に注意してください。

貸借対照表、損益計算書

以上の様式による書類以外に事業報告に必要な書類が、報告する事業者の「貸借対照表」と「損益計算書」です。これは会社の財務諸表なので、上記の1~3号様式のような指定書式でなく、会社の決算書からピックアップして添付すればOKです。

一部の地方運輸局では参考として1~3号様式と一緒に様式を提示していますが(例:北陸信越運輸局)、関東運輸局などは「様式は特に定まっておりません。自社のものを添付願います。」としていますので、特に作り直したりする必要はありません。

まとめ

毎年の事業報告を念頭に、運送事業者として適切な勘定科目を設定するなどしていれば、この報告書の作成はそれほど難しいものではないのかもしれません。ただし、運送業以外の一般的な勘定科目で帳簿付けをしている場合、あるいは他の事業を兼業している場合など、少々てこずることもあるかもしれません。

何より、忙しい事業者様にとっては、事業の拡大や効率化にアタマと時間を使うことが重要ですので、年次の役所への報告は、運送業支援専門の行政書士の活用を検討することも一つの方法だと思います。

当事務所では、事業報告書、事業実績報告書の作成、提出を含め、忙しい運送事業者様のサポートに注力しておりますので、ぜひご利用をご検討ください。

業務内容報酬額(税込)
事業報告書 作成・提出30,000円
事業実績報告書 作成・提出20,000円

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