レンタカーの貸渡約款はどう作ったらいいの?

レンタカー業の許可申請をご自身で行おうとした場合、一番むずかしく感じるのは「貸渡し約款」の作成かもしれません。

貸渡し約款は、許可申請に必須で添付する必要があり、また変更した場合は、遅滞なく運輸支局長に届け出なければならないとされるものなので、しっかり内容を検討しておくべき書類です。

このページでは、レンタカー業の許可申請を行うための、貸渡し約款の作成に関することを解説していきます。

そもそも約款って何?

約款とは、事業者と多数の消費者との取引のように、定型で大量の同種取引が行われるような場合に、あらかじめ契約内容を決めておくものです。
例えば、鉄道やバスの運送約款、電気・ガス等の供給約款などです。インターネット上のサービスの利用規約もこれに該当します。

レンタカーの場合、事業者と利用者の間で約款と異なる特約がない限り、貸渡し約款の内容に基づいて、個別のレンタカーの賃貸借契約が成立することになります。

レンタカー貸渡約款

レンタカー貸渡約款では、予約の受付やクルマの受け渡し、返還に関すること、料金に関する行ことなどを定めることはもちろんですが、交通事故の発生、放置駐車など違反・不法行為、車両の損傷による使用不能の場合などを想定し、責任の所在や当事者の負うべき義務などをしっかりと定めおくことが重要です。

決めておくべき主な内容

上記を踏まえて、貸渡約款で決めておくべき主な内容は概ね以下のようになるかと思います。

レンタカー貸渡約款で決めておくべき主な事項
  • 予約に関すること(予約取り消しやキャンセル 等)

  • 貸渡しに関すること(貸渡し条件、貸渡の手順 等)

  • 禁止行為や違法駐車の場合の措置返還に関すること

  • 故障、事故、盗難の場合に関すること

  • 賠償および補償に関すること
  • レンタカー貸渡し約款

    許可申請の際の貸渡約款の添付

    運送業や旅行業など、多くの許認可事業において、「標準約款」というものが所管行政庁などから公開されてい、標準約款を使用する場合はその旨を申告すれば、約款の添付は必要ないとされます。

    しかし、レンタカー業の場合、役所が認める「標準約款」というものが存在しません。そのため、個々の許可申請には、必ず貸渡約款を添付書類として提出する必要があります。

    大手事業者の約款を参考に?

    いろいろ探したものの、役所公認の「標準約款」が見つからないことから、私はかつてさる運輸支局に確認したことがありますが、その答えは「大手事業者さんの約款等を参考にしてください」というものでした。

    レンタカー協会作成の「標準約款」

    レンタカーの業界団体としては全国レンタカー協会およびその傘下団体として地区レンタカー協会という団体があります(以下、「レ協」)。

    レ協は、加盟する事業者向けに「標準約款」を作成していますが、レ協加盟を前提にした条項も少なくなく、全38条ほどとボリュームがある内容なので、法律や契約書の条文を扱いなれていない皆さんには、読み込んで訂正する作業は少々負担に感じるかも知れません。

    当事務所の貸渡約款作成サポート

    当事務所にレンタカー許可申請をご依頼いただいた場合、事業者様の貸渡しに関する計画等をヒアリングさせていただき、適切な内容の貸渡約款(案)をご提案し、ご確認頂いた内容で許可申請を行いますので、不慣れな契約条項の検討等にストレスを感じることがありません。

    事務所への貸渡約款の掲示義務

    最初のほうで書いた通り、貸渡約款はレンタカー業者側があらかじめ作成しておいた内容で、個々の貸渡し契約の内容を決めるものですので、その内容を借受人が確認できるようにしておかなければなりません。

    そのため、許可が出る際に許可書と一緒に交付される「許可に付する条件」において、「貸渡料金および貸渡約款は、事務所において公衆の見やすいように掲示しなければならない」と指示されます。

    当事務所では、上記の貸渡約款作成サポートの他、貸渡氏の実施計画に記す「自動車運送事業類似行為防止を図るための計画」に関する資料の提供など、レンタカー業の許可申請から開業までをトータルにサポートいたします。

    業務名内 容料金(税込)
    レンタカー許可
    新規申請
    ・許可申請書作成
    ・貸渡約款作成、貸渡の実施計画書など添付書類一式作成
    ・許可申請代理、許可書の受領
    ・レンタカー事業者証明書の取得
     77,000円

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